俺のRX8は13年落ち、走行距離は11万キロを超えている。
エンジンは前のオーナーがオーバーホールをしてくれていたため、幸いにも圧縮も十分で超快調。

しかし足回りはそうはいかない。
街乗りオンリーではあるものの、さすがに10年10万キロを超えてしまっては純正ビルシュタインも抜けが気になっていた。
ということで、いろいろ検討した結果ENDLESSの車高調、「FUNCTION-IMA PS」を導入したので、選んだ理由をレビューしつつ解説したい。

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この記事の目次
ENDLESS FUNCTION-IMA PSの詳細スペック
ENDLESS FUNCTION-IMA PSのスペックを代表的なRX8の車高調と比較すると下記のとおり。
ENDLESS FUNCTION-IMA PS | AutoExe Street Sports | HKS HIPERMAXS | BLITZ DAMPER ZZ-R | TEIN FLEX-Z | |
---|---|---|---|---|---|
バネレート | F:12.0 kg/㎜ R:6.0㎏/㎜ | F:3.9 kg/㎜ R:3.0㎏/㎜ | F:10.0 kg/㎜ R:6.0㎏/㎜ | F:8.0 kg/㎜ R:6.0㎏/㎜ | F:8.0 kg/㎜ R:5.0㎏/㎜ |
減衰力調整 | 可(20段) | 不可(固定) | 可(30段) | 可(32段) | 可(16段) |
推奨車高 | - | -15㎜ | F:-19㎜ R:-26㎜ | 記載なし | F:純正-35㎜~15㎜ R:純正-30㎜~10㎜ |
オーバーホール | 可 | 不可 | 可 | 不可 | 不可 |
価格※2025年8月時点 | 315,700円 | 203,500円 | 256,300円 | 191,400円 | 135,300円 |
最大の特徴はフロントのバネレートが12㎏/㎜と一番高いこと。
つまり上記の中では最もスポーティーな設定になっているんだ。
そして価格も抜群に高い。30万の大台に載っている。めっちゃ高い。
FUNCTION-IMA PSはエンドレスの吊るし車高調の1つ

ENDLESSってたぶん多くの人はブレーキメーカーのイメージがあると思うんだけど、車高調も自社開発・自社製造をしているんだ。
複数の製品シリーズがあるんだけど、メインとなるのは吊るしの「FUNCTION-IMA」とオーダーメイドの「FUNCTION.com」の2つ。
吊るしの「FUNCTION-IMA」はさらに3つのモデルがあって、その「PS」が今回俺が選んだモデルとなる。
PS | SC | TC | |
---|---|---|---|
用途 | サーキットもストリートも | ストリート用 | サーキット用 |
バネレート | F:12.0 kg/㎜ R:6.0㎏/㎜ | F:12.0kg/㎜ R:6.0㎏/㎜ | F:18.0 kg/㎜ R:14.0㎏/㎜ |
減衰力調整 | 可(20段) | 可(20段) | 可(20段) |
オーバーホール | 可 | 可 | 可 |
価格※2025年8月時点 | 315,700円 | 297,000円 | 330,000円 |
エンドレス 車高調を選んだ理由
お前そういえば前に車高調検討してなかった?と思った人、いつも見てくれてありがとう。
そしてその人はきっと「その候補の中にエンドレスなかっただろ」と思っただろう。
その比較検討記事は下記。
そう、俺は最初エンドレスを買うつもりは全然なかった。
にもかかわらず購入に至ったのは、担当整備士のイチオシだったからなんだ。
ヘタな車高調はダウングレードになる

若干営業トーク的な話もあったかもしれないんだけど、ヘタな車高調を入れてしまうとダウングレードになってしまうと言われた。
純正ビルシュタインダンパーはダンパーだけで13万円するので、バネ4本合わせると20万近い価格になる。
つまり20万以下の車高調ではいくら10万キロを超えているといえどダウングレードになってしまうぞ、ということだった。
確かに一理ある。
清水の舞台から飛び降りる気持ちでエンドレス 車高調を選ぶ

せっかくの車高調導入のタイミングでダウングレードするのは少しもったいない。
サーキットをゴリゴリに走る担当整備士の個人的な各メーカー評価は下記のとおり。(完全に個人の感想であることに留意してほしい)
- TEIN:とにかく安く済ませたい、車高が落とせればいいならこれがコスパいい
- BLITZ:TEINと比較検討するならTEIN選ぶ
- AutoExe:乗ったことないからわからない
- HKS:この価格出すならもう少し頑張ってENDLESSかKWいけ
- ENDLESS:高いけど値段なりの性能は確実にある。出せるならこれかKWがおすすめ
ということだったので、最終的にTEINかENDLESSの2択になった。
せっかくの機会だしと清水の舞台から飛び降りる気持ちでENDLESSに行った。超高い。

車高が落ちて見た目大満足
まず一番はローダウンで見た目がぐっとかっこよくなったことへの満足が大きい。


1枚目が車高調導入前、2枚目が導入後。
純正がF:685mm R:685mm

車高調導入後がF:670㎜ R:670㎜

純正比-1.5㎜。たぶん違いは俺にしかわからない。程よいローダウンでぐっと見た目が引き締まった。
PAでコーヒーを飲みながら眺める俺の車が最高にかっこいい。
エンドレス 車高調の走行性能

まずは慣らしで100キロ~200キロ程度走って、その後アライメントの再調整をした。
結論から言うと街乗りレベルであっても十二分に純正脚との違いを感じられたし、減衰を弄って乗る楽しさを感じることができた。
街乗り用の「10」の乗り心地

標準の「10」。走り出した瞬間から明確に違いを感じた。
ダンパーがよく動いて段差をいなしている。ただ純正脚と違ってバネが固いから、ダンパーが動いて段差をいなした瞬間、硬いバネがそれを押し戻してくる。結果車内は振動が少なく、びよんびよんしないという不思議な感じになった。
ダンパーが段差をいなした瞬間にサスが足を戻そうとするので、結果地面に貼りつくようにしてカーブする。安心感が半端ない。
個人的にもう少し硬いほうが好きかなって感じだったので調整して「8」を普段使いすることにした。
固めの「4」の乗り心地

まず試してみたのが20段階のうちの固めの「4」。
路面の入力を拾う量が明らかに増えた。超固い。段差もゴンゴン車内に拾ってくる。まさに地面と一体になって走っているような感じ。
地面に吸い付いているかのように動くから、ハンドルに地面の凸凹が直で伝わってくる。
「10」だと遠心力でロールしていたところがビシッと抑えられる。カーブの安心感が圧倒的に増した。
柔らかめの「16」の乗り心地

次に劇柔の「16」。個人的にこれはさすがに柔らかすぎて好きじゃなかった。
とにかく縦揺れがすごくて段差超えた後もビヨンビヨンする。ちょっと気持ち悪くなりそうだったので早々に退散。
エンドレス 車高調の減衰調整は簡単
エンドレスのFUNCTION-IMAは減衰調整が非常に簡単。工具は一切不要。
製品によっては専用の工具でねじを回す必要があるらしいんだけど、エンドレスにはそれはなし。
だから目的ごとに減衰を弄るのはやりやすい方だと思う。
前輪側はボンネットを開けてタワーバーの下にあるダイヤルを回せば調整できる。右に回すほど固くて、左に回すほど柔くなる。
何段目かはカチカチっというクリックで判別する。

後輪側はトランクルームの内側左右にワイヤーでダイヤルが伸びている。
後輪側はクリックが分かりづらいんだけど、目印となる銀の点(画像のダイヤルの下側に見えている突起)が半周で4段、一周で8段減衰が変わるのでそれを参考にする。(前輪も同様)

エンドレスの車高調が30万の価格に見合っているかどうかは不明

ちなみに最後迷っていた、ENDLESSの半値で買えるTEINとの違いは不明。
そりゃ俺TEIN付けたRX8乗ったことないのでね...。
「30万の車高調を付けている」「純正脚と全然走りが違う」ということしかわからないので、コスパなんてわかりようがない。
たぶん減衰調整したときのダンパーの動き方とか、バネのビシッと感が違うんだろうなとは思うんだけど、比較してないから違いは不明。
この辺り車高調、というか車のパーツ全般の闇だなぁと思った。
不満がない=素晴らしい

半値のTEIN付けてもそれなりに満足はできたと思う。
けど「これ純正のダウングレードなのかもしれないんだよな」という心残りを残してしまう可能性はあったし、もしなにかTEINに不満を感じたとき、「ENDLESSだったらこれなかったのかな...」と思ってしまう可能性もあった。
その可能性を30万で排除できた、と考えればよい買い物だったんじゃないか、と思うことにした。
不満がないということはそれだけ優れているということの証でもある。
30万出した価値はわからないが、確かに変わった見た目と走り

以上、ENDLESS FUNCTION-IMA PSのレビュー。
走りは明確に変わったし、車高を落としたことによる見た目の変化もあって非常に満足感は高い。
地面に貼りつくような安心感のある走りは純正脚では絶対に味わえなかったし、減衰を変えて走る楽しみが増えた。
そしてローダウンした見た目は今後いろいろなところに行って写真を撮る楽しみを生んでくれた。
30万は高いけど、街乗りで走りを楽しみたい人にとっては不満の全くない、よい買い物になるんじゃないだろうか。