
車を最初に買ったとき、情報がまとまっていないなーと思っていたものの1つが自動車保険の情報なんだ。
ネットで検索しても出てくるのは各保険会社の解説ページばかりで、
そりゃ各保険会社の解説ページなら最終的に自社の保険に入るように誘導してくるでしょって話で、
イマイチ信用していいのかどうかわからない。
車に詳しい人が周りにいればその人に教えてもらえればいいのかもしれないけれど、
俺にはそんな知り合いはいなかったので車を契約した後で必死に調べて納車までに何とかするしかなかったんだ。
そんな人を少しでも俺の実体験で救うことができたらいいなと思いつつ、自動車保険について解説していこうと思う。
長い記事なので、必要な部分だけみてもらえればOK。
このページさえ見れば自動車保険については最低限の知識を得られるようになっていると思う。

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そもそも自動車保険とは

さっきから「自動車保険」って言っているけど、そもそも自動車保険ってなに?って話。
自動車保険は大きく2種類に分かれる。それが「自賠責保険」と「任意保険」の2種類なんだ。
「自賠責保険」というのは車を買ったら必ず加入しなければならないもので、事故を起こしてしまった際の相手への補償をしてくれるもの。
つまり、自分が事故を起こしてしまったとき、相手をけがさせたり、死なせてしまった際に支払うお金を保険会社が代わりに払ってくれるということ。
任意保険は必要なの?

事故を起こしたときに相手に補償してくれるなら、強制加入の自賠責だけでいいと思うかもしれない。
けど自賠責保険にはいくつか注意点があって、
- 相手への補償金額には上限があって、上限を超えた賠償金額は自己負担になる
- 事故を起こした自分自身の治療費は一切出ない
- 相手の車を直すお金は補償されない
- 自分の車を直すお金は補償されない
- モノにぶつけたときのモノを直すお金は補償されない
といった注意点がある。
自分のせいで相手の車にぶつけてしまったら当然相手の治療費のほかに相手の車を直すお金も請求されてしまうし、
相手から請求された治療費が自賠責保険の補償を超える金額だった場合はその分自己負担になってしまう。
どこかの家の塀に車をぶつけてしまった時も家の塀を直す費用は自己負担だし、
ぶつけた相手の車がウン千万円もする超高級車だった場合、何千万円もする修理費用を一気に請求されてしまうこともあるわけだ。
そんな自賠責保険ではカバーできない「万が一」に備えて、「任意保険」が存在するんだ。
事故を起こしてしまったいざというときに備えて、ぜひ任意保険にも入ってほしい。
任意保険金額の決まり方

で、じゃあその任意保険なんだけど、大きく5つの要素で保険料は決まる。
- 補償内容
- 等級
- 年齢
- 車種
- 免許の色
1つ1つ解説していく。
補償内容

①どんなシチュエーションか ②いくら補償されるか の大きく2つの要素で金額が決まる。
例えば台風で浸水しちゃったときに補償してくれるようにすれば補償なしよりも金額は上がるし、
自分のけがに対して5千万補償してくれる保険と1億補償してくれる保険だったら1億補償してくれる保険のほうが高い。
等級

これが全然知らなかったんだけど、保険はこの等級というのが非常に重要。
簡単に言うと保険会社からの信用が数値になっているのがこの等級という数字で、
無事故で保険期間が長ければ長いほど等級が上がって、その分保険料も下がっていく。
一般的には6等級か7等級からスタート。
逆に事故を起こして保険を使ってお金を払ってもらうと、その分信用が下がって等級が下がり、
次の年からの保険料が高くなってしまうんだ。
どのくらいの事故を起こすとどのくらい等級が減るかは保険会社ごとに決まっていて、
一般的に重大な事故を起こすほど等級はがっくりと下がる。
年齢

保険会社ごとに差はあるんだけど、多くの会社は「21歳」「26歳」「30歳」「35歳」で区切りを入れていて、
この区切りを超えるとそれに応じて保険料が安くなるという仕組み。
要は若い人のほうが危ない運転をして事故を起こす確率が高いから、その分保険料が高くなっている、という考え方。
車種

じつは車種ごとにも保険会社の信用度というのがあって、料率クラスと呼ばれている。
これは後述する車両保険の金額に関わる数字で、
損害保険料率算出機構というところが年1回決めているもの。
だからどの保険会社に入っても同じ料率クラスを適用することになっている。
料率クラスは、
- 車両
- 対人自損
- 対物
- 障害
の4つで構成されていて、1~17の数字で評価される。数字が大きければその分保険料が高いということ。
ちなみに損害保険料率算出機構のHPから料率クラスは調べることが可能で、RX8の場合はこんな感じ。
損害保険料率算出機構 型式別料率クラス検索より引用
1年間でRX8へ保険料の支払いがたくさんあると次の年の全国のRX8の保険料が上がることになる。
エイト乗りの皆さんは全国のエイト乗りのためにも何とか事故を起こさないように安全運転を心掛けてほしい。
免許の色

2025年現在、普通自動車第一種免許、通称運転免許証には3色の色が存在していて、下に行けば行くほど保険料も安くなる。
- グリーン:免許取り立て
- ブルー:普通
- ゴールド:優良運転者
となっている。最初に免許を取るとグリーンの免許をもらって、そこから初回の更新でブルーに、
ブルーで5年間無事故無違反だと次の更新でゴールド免許になる。
任意保険に付けたい条件

さてここから、俺が任意保険につけたい条件をあげていく。
あくまで個人的な感想にはなるんだけど、おすすめしたいのは
- 対人、対物補償無制限 免責なし
- 人身傷害、障害一時金あり
- 弁護士費用特約
- 車両保険無過失事故特約
あたりとなる。考え方としては自賠責保険で足りない部分を補えればOK。
対人、対物補償無制限 免責なし
自賠責保険のところで解説した通りで、自賠責保険は相手の補償をしてくれるんだけど、
金額の上限が決まっているのと壊したモノを直す費用は補償されない。
なのでこれを補うためにほぼ必須の条件。
免責というのは簡単に言うと自己負担の金額のことで、「免責10万円」となると10万円は自己負担となる。
事故を起こしてしまった傷心に自己負担があるのは心理的にもしんどいと思うので、免責なしにすることをお勧めする。
人身傷害、傷害一時金あり
これも自賠責保険で補償されない自分自身のけがの治療や同乗していた人のけがの治療についての補償。
自分自身や同乗している大切な人を守るためにもこれはつけておきたい。
弁護士費用特約
一般的に事故が起こったとき、自分の車・体は相手の保険で、相手の車・体は自分の保険で直すことになる。
この時、相手の保険会社はあの手この手で補償金額を減らそうとしてくるんだ。
そりゃ保険会社にしてみれば1円でも持ち出し金額は少なくしたいだろうから当たり前なんだけど、
事故された自分からするとなるべく多く補償してほしい。
そんな時に頼りになるのが法律の専門家である弁護士なんだ。
弁護士は第三者の立場で起こった事故に対して適正な補償金額を引き出そうとしてくれるし、
何よりあなた自身が相手の保険会社を交渉しなくて良くて、治療に専念できるんだ。
事故を起こしてしまった傷心のタイミングで相手の保険会社と交渉するのは非常につらいので、
ぜひこれもつけておこう。
車両保険無過失特約
あなたがもし全く悪くない事故を起こしたとき、あなたの車は相手の保険で直すんだけど、
任意保険に入っていないドライバーがあなたの車にぶつけてしまったとき、
その修理費を相手に請求できないことがあるんだ。
信じられないかもしれないけどそんな悲しい事故が世の中にはある。
そんな時、自分の保険をつかって車を直すんだけどその時に等級が下がらないようにするのがこの特約。
自分が悪くない事故で車を直したのに、自分の保険料が下がってしまうのは非常にやるせないので、
これにもぜひ入っておこう。
スポーツカーなら車両保険もつけておきたい

ちなみによく議論になるのが車両保険に入るべきかという点。
車両保険というのは任意保険の条件の1つで、自分の車を直すときに保険会社がお金を出してくれるというもの。
だから相手がいない単独の事故でも使うことができるし、最近多い雹が降った時の修理とかにも使える。
個人的はスポーツカーなら特に入っておくことをお勧めしたい。
スポーツカーは車両料率クラスが高いことが多くて、車両保険を付けたとたんに保険料が跳ね上がるんだけど、
スポーツカーは修理費も高額になることが多いと思うので入っておいたほうが良いというのが個人的な意見。
安いスポーツカーなら入らなくてもOK
とはいえ、RX8やZN6型の86など、2025年現在車両価格が安くて修理費も高額にならなさそうな車なら、
車両保険の保険料の分を貯金に回して入らない、という選択もあり。
ネオクラスポーツカーだと修理する部品も車両価格と合わせて高額になってしまうケースが多いんだけど、
安めのスポーツカーなら部品供給もそこそこあって修理費も安価で済む場合が多い。
とはいえあくまでネオクラに比べれば、という話で一般的な乗用車に比べれば高いので、
一発ウン十万の出費を受け止められないのなら車両保険はつけよう。
親の等級を継げるなら継がせてもらおう

ちなみに任意保険には「親の等級を継ぐ」という最強の技が存在するんだ。
これを使うと自分の親の等級をそっくりそのまま継いで自分の等級にできてしまう。
一般的には6か7等級スタートのところ、親が最強の20等級なら自分もいきなり20等級からスタートできてしまうというわけ。
親の等級を継ぐ条件
ただ親の等級を継ぐには条件があって、
- 親と子が同居していること
- 下記のタイミングであること
- 親の契約で子供の車に車両を入れ替えるとき
- 保険の記名被保険者を子供に変更するとき。(必要に応じて契約者も変更)
└親の元の車が無保険状態になっているので、親名義の新規契約をすること
となる。
つまり親の等級と子供に渡すと、親は逆に6か7等級からスタートになって親の保険料は上がってしまうし、
大学に通うために1人暮らしとかをしている場合は住民票を移していなかったとしても別居扱いされてしまう。
頑張って親を説得しよう
君の家の任意保険の支払いがどうなっているかはわからないけど、もし自分の車は自腹で養う必要があるのなら等級引継ぎは君にとってはメリットしかない。親にとっては逆にデメリットしかないので、あとは親が納得してくれるか次第。
幸運を祈る。
あとは保険会社を探すだけ

ということで、ここまで自動車保険ってなに?というところから、任意保険に付けたい条件、等級引継ぎについて解説してきた。
あとは↑で解説した条件を各保険会社のサイトに入れれば見積が出てくるので、安いのに入ればOK。
保険は水物

お前ここまで解説しておいておすすめの保険会社とかないのかよ、という突っ込みが聞こえそうだけど、
保険は水物でその時々によって金額も変わってくるんだ。
なのでこの記事で具体的な保険会社のおすすめはあえてしないことにしておきたい。
必要に応じて代理店も頼ろう

あと車を取り扱っているディーラーさんや中古車屋さんの多くは保険会社の代理店契約をしていて、
自動車の任意保険を売ることができる資格を持っている。
なのでこの記事で読んだ条件を営業マンに伝えれば保険を選んでくれるはず。
この記事に書いてある最低限の知識を持って営業マンと話せば少なくとも言っている言葉の意味は分かると思う。
他にも付けられる条件はたくさんあるので、説明をしっかり聞いて自分の納得する保険に入ってほしい。
みんなの健闘を祈る。